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カラダにいい本
2013.10.24

内沼晋太郎さんの選ぶ、
カラダにいい本。「食べる」編


“You are what you eat”
というけれど、食べたものがそのままカラダになっているということを実感するのはむずかしい。もちろん食べ過ぎれば太るけれど、食べたものがそのまま自分にくっついていくわけではないし、食べなければ痩せるけれど、食べなかったぶん自分のどこかの部分が削られていく感覚を味わうことはない。いや、もちろん消化吸収されるものと排泄されるものがあり、生きているだけでエネルギーを消費しているということは、頭ではわかっているつもりだけれど、それを自分のカラダでわかるということは少ない。

 

ぼくは大学生のころに腸を悪くしたことがあり、そのとき初めて腸に内視鏡を入れた。入れたことがある人はわかると思うけれど、腸を内視鏡という物体が通り抜けていくときに、生まれて初めて自分のカラダに腸が「ある」ということを感じた。腸の壁にぶつかる明確な触覚を通じて、自分のカラダの中で、ここで曲がって、こういう形で存在するのだということを知る。生きている何十年ものあいだ通り抜けているはずの食べものは、ぼくたちにそれほどまでに明確な触覚を感じさせることはない。

 

実感としてはほぼ、自分のカラダの内側はブラックボックスだ。食べものは唯一、そのブラックボックスの中に日常的に入っていくものである。ひとたび口から入ったきり、いまそれがどこにあるのか、それが自分に何をもたらしているのかを、感じることはできない。太ったり痩せたり、体調が良かったり悪かったり、空腹や満腹を感じたりといった、「結果」を通じてしかわからない。わかるようでわからない、感じにくいもの。だからこそ、誰かの言葉でイメージを膨らませるために、ぼくたちは本を読む。というわけで何冊かの本をご紹介。

 

■『人体絵本―めくってわかる からだのしくみ』(ポプラ社)
たかが絵本と思って気軽にめくると、リアルすぎてびっくりします。自分のカラダのどこがどうなっていて、食べものがどこをどう通っているのかをイメージするのに、最も気軽かつ適した一冊。

 

■『ワイル博士のナチュラル・メディスン』(春秋社)
人間に本来備わっている自然治癒力を引き出す統合医療の第一人者、ワイル博士。食べものやその習慣がどのようにカラダに作用しているかを、現代医学と伝統医学の両方の側面からバランスよく教えてくれます。

 

■『あたらしい食のABC』(WAVE出版)
幅広い年齢層の女性から支持を得る『マーマーマガジン』編集長・服部みれいさんによる食エッセイ。服部さんが実体験を通じて感じた、食べ物とカラダの関係をつれづれ綴っています。

内沼晋太郎
うちぬましんたろう
numabooks代表、本屋B&B共同プロデューサー。ブック・コーディネイター、クリエイティブ・ディレクター。

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